知ってほしい「リネンサプライ」

ごあいさつ

一般社団法人日本リネンサプライ協会
会長 堀井 正隆


 日本リネンサプライ協会は、「リネンサプライに関する技術の向上並びに知識の普及啓発を図るとともに、リネンサプライ業の健全な育成に努め、もって公衆衛生の向上に寄与する」ことを目的として、1971年2月25日に、厚生大臣の許可を受けて社団法人として(設立2013年4月1日一般社団法人に移行)され、2021年、創立50周年を迎えた業界最大の法人です。
 当協会は、これまで、海外研修視察、リネンサプライ講習会・セミナーの開催、衛生基準認定事業、リネンサプライ業技能講習会(初・中・上級)の実施など、社会のニーズに応え各種の事業を積極的に展開してきました。
 2018年11月には、外国人技能実習制度において、リネンサプライ職種が2号移行職種に追加され、当協会が技能実習評価試験の実施機関となったことにより、外国人実習生の受入れが大きく拡大しました。
 さらに、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会においても、関係企業と連携して選手村のリネンクリーニング業務の支援を行ってきました。
しかし、2020年から始まったコロナ禍は、私共リネン業界にも壊滅的な危機をもたらしました。
 ようやく2023年5月をもって、日本においてもコロナは感染症5類(インフルエンザ相当)へと移行し、コロナ過を脱出したかのように見えましたが、ウクライナ戦争に端を発した、原油、ガス、電力などのエネルギー価格の高騰、それに伴う衣料品、洗剤などの材料費の高騰、円安、未曽有の人手不足など、見方によってはより厳しい状況に置かれてしまったといっても過言ではありません。
 近年、リネンサプライサービスは、観光、飲食をはじめとして各分野でその重要性が高まっており、観光立国の一翼を担う産業分野として成長してきました。そして今はまさに、日本へのインバウンド観光客の回復、並びに国内観光需要も高まり、地域によって差はありますが、仕事はやりきれない状況が続いております。このような状況は経営のやり方によっては大きな発展を遂げるチャンスといえます。
 私は、リネン業界がこの状況をチャンスに変えていける様な、環境づくりの土台となっていきたいと考えております。そして、その為のキーワードは、「世代交代」であると思っております。
 しかし、ただ交代をすればいいというわけではありません。例えば陸上400メートルでの日本選手によるバトンリレーは世界一と聞きます。バトンは渡すほうも受け取るほうも全力で走らないと意味がありません。若手は全力で走りバトンを受け取りに行き、ベテランも手を抜かず走る。そして受け取りやすい位置にバトンを構える。そのようにお互いに全力を尽くし、相手の事を考えて世代交代をすれば、若手もベテランも最大限のパワーを出すことが出来ます。日本リネンサプライ協会はそのような協会でありたいと考えております。
 一昨年、日本リネンサプライ協会は、50周年という節目を迎えました。しかし50周年はゴールではなく、次の100周年へ向けてのスタートでもあります。そのような意気込みで、すでに次の目標に向けて次世代を担う若手有志を中心にリネン業界の発展の為、様々な取り組みをスタートしております。
 私共日本リネンサプライ協会は、日本の観光立国世界一の実現のために、全力で邁進していく所存でございます。

―2023年7月―